グッデナゥ博士(Dr. Goodenowe)が解き明かしたプラズマローゲンの科学と、日本との共同研究の歩み
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■ はじめに
グッデナゥ博士(Dr. Dayan Goodenowe)は、プラズマローゲン研究の第一人者として世界的に知られる科学者です。
脂質代謝と脳の健康の関係を30年以上にわたり研究し、神経科学・腫瘍学・精神医学など多領域で成果を残してきました。
本記事では、博士の研究の歩みとプラズマローゲンの重要性、そして日本の研究者との国際共同研究についてご紹介します。

■ グッデナゥ博士とは
博士は PhD を持つ脂質代謝・神経科学の研究者で、
- プラズマローゲン
- 脂質代謝
- 神経変性疾患
- メタボロミクス
を中心に研究を続けてきました。
博士の研究は、
「脳の健康は細胞膜から始まる」
という視点に基づいています。
■ プラズマローゲン研究の原点
グッデナゥ博士が注目したのは、神経細胞膜に多く存在する特殊な脂質 プラズマローゲン(plasmalogen)。
博士は研究の中で、以下の重要な事実を明らかにしました。
- アルツハイマー病患者ではプラズマローゲンが著しく低下している
- プラズマローゲンは抗酸化作用を持つ
- 神経細胞膜の安定性に関与する
- ミトコンドリア機能をサポートする
- シグナル伝達の調整に関わる
これらの発見は、脂質研究の世界に大きな影響を与えました。
■ プラズマローゲンと脳の健康
博士の研究によれば、プラズマローゲンは脳の健康に欠かせない脂質であり、以下の働きを持ちます。
- 神経細胞膜の柔軟性を保つ
- 酸化ストレスから細胞を守る
- 神経伝達の効率を高める
- 加齢による脳機能低下を抑える可能性がある
特に、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患では、
プラズマローゲンの低下が早期から始まることが博士の研究で示されています。
■ 日本の研究者との長年にわたる国際共同研究

グッデナゥ博士の研究は、北米だけでなく 日本の医学界とも深く結びついています。
2000年代以降、博士は大阪大学・千葉大学・国立精神・神経医療研究センターなどの研究者とともに、
アルツハイマー病・膵がん・大腸がん・乳がん・精神疾患 など多領域で国際共同研究を進めてきました。
● アルツハイマー病研究(2007)
大阪大学医学部精神医学教室(武田雅俊教授) と共同で、
アルツハイマー病患者の血中プラズマローゲンが著しく低下していることを示す代表的な論文を発表。
この研究は、プラズマローゲン研究の基盤となった重要な成果です。
● 膵がん研究(2013・2016)
大阪大学医学部消化器外科学講座(門田守人教授)と共同で、
膵がん患者の血清代謝物プロファイルを解析し、早期発見の可能性を示した研究を発表。
● 大腸がん研究(2010)
大阪大学医学部・千葉大学医学部の研究者とともに、
大腸がん患者の血清脂質(超長鎖脂肪酸など)の変化を解析し、早期スクリーニングの可能性を提示。
● 双極性障害研究(2019)
国立精神・神経医療研究センターと共同で、
双極性障害患者におけるプラズマローゲンの変化を明らかにした研究を発表。
精神疾患と脂質代謝の関連に新たな視点を提供しました。
● 乳がん研究(2021)
京都府立医科大学大学院医学研究科と共同で、
乳がん患者の脂質バイオマーカーを解析し、診断・リスク評価に新たな知見を提供。
■ 臨床研究とバイオマーカー開発
グッデナゥ博士は基礎研究だけでなく、臨床研究にも積極的に取り組んできました。
- 血中プラズマローゲン濃度と認知機能の相関
- 神経変性疾患の早期診断に役立つバイオマーカーの開発
- がん患者の血清代謝物プロファイルの変化
- 加齢による脂質変化の追跡研究
など、多くの臨床領域に広がっています。
これらの成果により、
「血液中の脂質から脳の状態を読み解く」
という新しい医療アプローチを切り開き、早期診断や予防医学の発展に大きく貢献しています。
■ 科学を人々の健康に届けるために
博士の研究の根底には、明確な哲学があります。

「病気になってから治すのではなく、
病気になる前に細胞レベルで健康を守る」
この考えのもと、博士は長年の研究成果をもとに、
一般の人が日常的に使える形で脂質を補える製品開発にも取り組んでいます。
■ 現在の博士の活動
グッデナゥ博士は現在も精力的に活動しており、研究と教育の両面で国際的に貢献しています。
- 脂質研究に関する講演・国際学会での発表
- 臨床研究者との共同研究
- 一般向けの教育活動(ブログ・書籍・講演)
- 製品開発における科学的監修
博士は今も、
「科学を人々の健康に役立てる」
という信念のもと研究と社会実装を続けています。
■ まとめ
グッデナゥ博士のプラズマローゲン研究は、
脳の健康科学だけでなく、がん・精神疾患・代謝研究など多領域に広がっています。
博士の研究が示してきたのは、
- プラズマローゲンの重要性
- 神経変性疾患との関連
- 早期介入の必要性
- 細胞膜の健康という新しい視点
といった、現代医療に欠かせない知見です。
さらに博士は、
日本の研究者と10年以上にわたり共同研究を続け、数多くの国際論文を発表してきました。
その成果は、脂質研究の発展と臨床応用に大きく貢献しています。
グッデナゥ博士の研究があったからこそ、
私たちは今日、プラズマローゲンをはじめとする脂質の力を日常に取り入れることができます。